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上下顎前突について
上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)とは、口周りが前に突き出してる状態を言います。
前の歯が前方に突き出している、出っ歯の要因として判断される場合があります。
前の歯が前方に突き出しているかを判断する為には、横から顔を撮影することで判断することが出来ます。
手元に横顔の写真を準備した後に、鼻の先とアゴを直線で結びましょう。
その線を超えるように唇が前に突き出していれば、上下顎前突の可能性が考えられます。
一般的には、この線の内に唇が入りきるか、それか唇が多少接触する程度が一般的と言われています。
これについては、第3者から確認することが可能なので、身近な方に判断してもらいましょう。
前から確認した歯並びは全体的に美しくても、横から顔を確認したときに口周りが前方に飛び出ていれば、上下顎前突と言えます。
いつもは見慣れない自らの横の顔を、このタイミングに確認してみましょう。
上下顎前突を改善しないとどうなる?
口内環境が悪化する
口が開く状態が続けば口内に唾液が溜まりにくくなり、歯周病や虫歯などの口内環境のリスクが高まります。
通常、唾液の効果として虫歯菌の発生させる酸を中和させ、虫歯を予防してくれます。
ただし、唾液が減ってしまうと酸は上手く中和されません。徐々に酸は歯を溶かしていき虫歯になっていきます。
口が乾きやすくなる
口が前方に突き出ることによって唇がしっかり塞がらなくなり、口の中の唾液が乾燥してしまいます。唾液が乾燥してしまうと、ドライマウスの状態が発生します。
口から呼吸する人は下記のような問題に衝突しやすいです。つまり、口が開いた状態の上下顎前突の方も同様の悩みを抱えてしまいます。
口から呼吸する場合のリスク
・空気の中に漂っているウイルスや細菌が口内に侵入しやすいことから感染症が起きやすい
・口の中が乾く為、口臭の要因になっている細菌が唾液で流されることなく増えてしまう
治療を何度行っても、口周りが前方に突出している状態を改善しなければ口内は乾燥してしまい、歯周病や虫歯などの口内環境の悪化リスクは発生します。
早期に上下顎前突治療することで、以上のリスクを解決することに繋がります。
周りからの目が気になってしまう
口周りが前方に出る状態を改善することで、周りからの目を気にしなくなります。
口周りが前方に突出していることは、他人から見られる印象に大きく影響します。これがコンプレックスに繋がり、精神に傷を負う方もいます。
上下顎前突の治すためには
歯を抜く場合
改善する為には口元を口の中に引っ込める必要があります。通常、小臼歯と言われる歯を抜いて歯列に空間を作ります。その空間に、矯正を駆使して前の歯を後ろへ動かします。
歯を完全に抜くのではなく、歯と歯の間を少しだけ削る方法もあります。それにより、スペースが生まれ、そこに歯を動かすという手段もあります。
患者さまの症状によってはアゴの骨をわずかに削り、削った分の空間分だけ歯を後ろへ動かす外科的手術が伴う可能性もあります。
どのような矯正方法があるのだろう?
ワイヤーブラケットと言う固定の歯列矯正器具を使用して、歯を矯正をする手段があります。
ブラケットは、歯に取り付けてワイヤーを通す装置で、ブラケットとワイヤーで歯の並びを整えるのが通常の方法です。
この方法は、前歯を後ろへ引っ込めることが可能な空間がアゴにないと施術することができません。
ワイヤーブラケットを使用した歯列矯正は、歯の動く空間を確保するために歯を抜くことも多々あります。
他にも、成長段階の子どもか、大人なのかによって矯正の方法が異なります。
例えば、親知らずだけ抜歯してアゴに空間を生み、矯正する手法など患者さまの口内環境によって様々な手段が用いられます。