ふと鏡を見ると、顔の左右がゆがんでいて驚いた経験はありませんか?
子どものころは何とも思わなかったことが、ある日ふと気になるようになります。特に40代を過ぎると、徐々に口周りの外見が変化していくでしょう。
顎にズレが生じる原因の約8割は、ズバリ「不正咬合」です。本記事では不正咬合の原因や、治療に必要な検査について解説します。治すべき場所がわかるセルフチェックの方法も紹介するので、顔のゆがみが気になっている方はぜひ参考にしてください。
目次
1.ズレが生じるのはなぜ?
しばた歯科へ来られる患者さまの中に、顎のズレを自力で治した、あるいは整体などで対処してもらったという方が時折いらっしゃいます。
しかし顎のズレの、約8割は不正咬合が原因です。根本的に問題を解決するためには、歯科治療が欠かせません。
人間の咬合は生涯同じというわけではなく、年齢とともに徐々に変化します。むし歯治療で歯の高さが0.1ミリ変わっただけでも、咬合は変化する可能性があるのですから驚きですよね。
また40代を過ぎると、加齢で少しずつ歯が擦り減っていきます。骨格に異常がなくとも、咬合の変化によって顎がズレたりゆがんだりしていくでしょう。
2.ズレがもたらす症状
鏡さえあれば、顎のズレがあるかどうかをご自身でチェックできます。次の手順で実施してみてください。
1. 耳の頬寄りの部分へ、人差し指と中指を当てて口を大きく開ける
最大まで開けたとき、関節に痛みや違和感、異音がある場合は顎がずれているかもしれません。
2.ゆっくりと口を開ける
下の前歯の中心は、下へ真っ直ぐと移動するでしょうか?顎にズレが生じている場合、動きながら反対へずれたり横ブレしたりする可能性があります。
3.治すべき場所を知るためには?
続いては正しい咬合を手に入れるために、どの部分を治療すべきか知る方法を解説します。こちらも同じく、鏡があれば自己チェックが可能です。
鏡の前で、上下の前歯の中央を合わせるようにして軽く噛んでください。左右どちらかにズレはあるでしょうか?
例えば顎が左へずれている場合、左の犬歯のうしろより奥の歯の上下がカッチリと合わないはずです。ズレが生じるのは、その隙間に相当する高さが不足しているためです。ズレを解消するには、不足した分だけ高くするのが有効な手段といえます。
4.ズレを治すために必要な検査
患者さまの中には「歯科治療で顎のズレが本当に治るの?」と、疑いを持たれている方がいらっしゃいます。
確かにそう思うのも無理はありませんが、これは治療に必要な検査を受けていないことが理由です。
この問題に関わらず、治療の成功に欠かせないのは事前の検査です。顎のズレを治したい方は、これから紹介する6つの検査をすべて受けられる医療機関を受診しましょう。その診断結果を以て、適切な治療を受けるようにしてください。
1.顔および口腔内の写真
2.咬合器についた模型
頭蓋に対してどういった位置に上顎がついており、どのように下顎が合わさるのかがわかります
3.顎の機能検査
下顎の開閉運動や前方後退運動、側方運動の質や量を診査し、顎関節の以上の有無を確認します
4.X線写真
「パントモ」と呼ばれる菌のレントゲン写真でむし歯や歯の周りの骨の状態を診査し、その後、頭部X線規格写真で顔面骨格形態や左右の対称性を確認します
5.筋触診
首から肩、口の周りの筋肉を触って、筋肉のこわばりや左右差の有無を確認します。ズレがある場合は触られたときに、ずれている方の筋肉へ痛みが生じるでしょう。
6.歯ぎしりの検査
歯科治療専用の薄いフィルムを、睡眠時に上顎へつけて歯ぎしりの様子を記録します。睡眠中の歯ぎしりは無意識に行われますが、歯や顎へ思った以上に強い力がかかっていいます。長期間続くと、歯が極端に擦り減ったりヒビが入ったりするでしょう。
3.まとめ
顎にズレが生じる、8割以上のケースは不正咬合が原因とされています。場合によってはスプリント療法(患者さまの歯に合わせてマウスピースを作製し、就寝中に装着することで歯や顎への負担軽減が期待できる治療)で改善できますが、目的はあくまで筋肉の緊張緩和など応急処置的なものです。
今回紹介した6つの検査が受けられる医療機関を見つけ、歯科医師の実績や経験、治療方針をよく確認した上で適切な治療を受けてください。
なお、NICO矯正歯科でも顎のズレを始め、口周りの変化に関する相談を承っています。不正咬合の有無を確認し、適切な検査を行った上でベストの治療法を提案いたしますので、お困りのことがあればぜひご相談ください。
不正咬合を改善させ、見た目や機能性の向上を図りましょう。