「口を開けるとすきっ歯が見えるから、人前じゃ笑わないようにしている」
という方はいらっしゃいませんか?
治療で治すことができれば、自然に会話をしたり笑ったりできるようになりそうですよね。
そこで今回は、歯間に隙間が生じる原因や適切な治療法などを紹介します。
口元にコンプレックスをお持ちの方は、本記事をぜひ参考にしてください。
目次
すきっ歯ってどんな状態?
歯間に隙間のある状態を「すきっ歯」といいます。
歯科用語では「空隙歯列」とも呼ばれ、中でも前歯の歯間に隙間がある状態を「正中離開」といいます。
前歯の隙間は目立ちやすいため、コンプレックスになっている方も少なくありません。
歯間に隙間ができる原因
すきっ歯になる原因として、次の9点が挙げられます。
1.遺伝的要因
歯の大きさは、遺伝が関係していることをご存知でしょうか?
遺伝的に歯が小さいと、通常に比べて歯間に隙間が生じやすくなります。
また形状も遺伝が関係しており、歯の形に問題があるとすきっ歯になる可能性がグッと高まります。
2.歯の本数が不足している
親知らずを除く永久歯の本数は、上下で28本あるのが正常です。
しかし先天的あるいは後天的な理由によって、歯の本数が不足する場合があります。ちなみに後天的というのは、顎骨に埋まったままの歯が生えてこないということです。
このような場合、本来生えるはずだった場所にスペースが生じてすきっ歯になります。
3.過剰歯がある
すきっ歯になるのは、歯の本数が不足しているときだけではありません。
通常よりも多い場合、つまり過剰歯の際もすきっ歯になる傾向があります。
顎骨へ埋まっている過剰歯に、生えている歯が押されてしまい隙間が生じるでしょう。
4.上唇小帯が太い
上唇小帯とは、上の前歯の中央から歯茎へと伸びた繊維のヒダのことです。通常よりも太く、歯の根元まで伸びている場合は隙間が生じやすくなるでしょう。上唇小帯が邪魔をして、前歯同士が密接できなくなるためです。
5.悪習癖
幼少期の指しゃぶりによって、歯が内側から押されて隙間ができることがあります。また歯の裏に舌を押し付ける癖がある場合も、同じメカニズムで隙間が生じるでしょう。
6.歯周病
歯周病によって歯槽骨がダメージを受けると、すきっ歯になりやすい状態となります。
7.歯ぎしり
これも悪習癖の一種です。歯ぎしりは就寝中など、無意識下で行われるため注意が必要です。長期間にわたって歯に強い力がかかり、歯間に隙間が生じます。
8.口腔ケアアイテムの使い方の問題
ピックや爪楊枝を、頻繁に歯間へ挿し込んでいると隙間ができやすくなります。
9.抜歯の影響
歯列矯正をする場合、抜歯を必要とするケースが多いです。一度は歯並びがキレイに整いますが、後戻りの際に前歯に隙間ができやすくなるでしょう。
隙間の発生は防げる?
先ほど紹介したように、すきっ歯にはさまざまな原因が挙げられます。それぞれの原因にうまくアプローチし、正しく予防することが大切です。
例えば加齢や歯周病などの影響で、歯茎が後退した場合にできた隙間はどうでしょうか。このようなケースは、日々の適切なブラッシングや定期的な歯科検診の受診によって改善される可能性があります。
悪習癖が原因の場合は、矯正歯科でのトレーニングによって改善が見られることもあるでしょう。歯ぎしりに関しては、就寝時に専用のマウスピースを装着することでダメージを軽減できます。
治療方法
ここからは、治療法について詳しく解説します。すきっ歯が自然治癒することはまずありませんので、歯科医院で適切な治療を受けてくださいね。
ワイヤー矯正
比較的幅広い症例に対応しているのが、ワイヤー矯正です。
歯の表や裏に「ブラケット」という器具を装着し、その穴にワイヤーを通して隙間を埋めていきます。正中離開も、基本的にはこの治療法で改善できるでしょう。
裏側矯正には装置が目立ちにくいというメリットがある反面、咬合の深さによっては対応できないことも間々あります。
マウスピース矯正(インビザライン)
透明のマウスピース装置を装着し、歯列を整えるという方法です。
装置は着脱可能ですが、指示された通りの装着時間を守らなければ治療期間が延びてしまいます。
また歯列や骨格によっては、対応できないこともあるのでかかりつけ医に一度相談してください。
ラミネートベニア法
歯列矯正は不要で、隙間だけを埋めたい場合には、審美治療の一つであるラミネートベニア法がおすすめです。
歯の表面をわずかに削り、上から薄いセラミックを貼り付けることで、隙間を埋めたり歯の色の改善を図ったりします。
見た目が気になるときは歯科医院に相談を!
すきっ歯があると、隙間に食べ物が挟まって口腔トラブルを引き起こしやすくなります。
見た目の問題だけでないことを理解し、歯科医院で適切な治療を受けましょう。
仕事や育児に追われている方もいらっしゃるかもしれませんが、早めに診てもらうことが大切です。
審美性と機能性を両立させて、充実した日々を過ごしてくださいね。