妊娠中や授乳中でも歯列矯正は可能です

歯列矯正中に妊娠するケースはある？

結婚式に向けた「ブライダル矯正」をしている途中で、妊娠される方がいらっしゃいます。それ以外のケースについても、通常歯列矯正には6ヶ月～数年程度の期間が必要です。よって歯列矯正の途中で妊娠をする可能性は、十分にあるのです。

妊娠中でも歯列矯正は続けられる？

単刀直入に言うと、妊娠中でも歯列矯正は可能です。特別方針が変わったり、調整が必要になったりということはありません。
ただし患者さまの健康状態によっては、一部の治療方針を変更する可能性があります。中には安定期に突入するまで口外しないという方がいらっしゃいますが、患者さまや赤ちゃんに何かあってからでは大変です。安心安全のために、妊娠がわかった時点で早めのご報告をお願いいたします。

妊娠中の歯列矯正で注意すべきことはある？

妊娠中は通常に比べて、口腔トラブルが多くなる傾向にあります。中でも「妊娠性歯肉炎」にかかる可能性があるので、日頃から口腔内の清潔を維持しましょう。

また妊娠中だけでなく、産後もホルモンバランスが変動する時期です。歯周病菌が増えやすく歯肉炎のリスクが高まるので、より重点的なケアを行う必要があります。

悪阻（つわり）が激しい場合の日常ケアはどうすればよい？

つわりがひどく、歯みがきが困難だと判断した場合は無理に磨く必要はありません。ただし、何もしないというわけにはいきません。液体歯みがきの使用もしくは、こまめなうがいをお願いします。

また体調が悪くとも歯みがきはしたいという場合は、お子さま用の歯ブラシがおすすめです。ヘッドが比較的小さいので、通常よりも異物感なく歯を磨けるというメリットがあります。

妊娠中の歯列矯正で、母体や赤ちゃんへ影響が及ぶことはまずありません

妊娠中に避けるべき処置はある？

妊娠中でも歯列矯正は可能ですが、【麻酔の使用】と【レントゲン撮影】の2つは避けてください。

歯科医院で使う麻酔やレントゲンは腹部から離れた口元に対して行うので、基本的には不問であるとされています。しかし念のため、上記2点は避けるようにしましょう。

当院では妊婦さまに対し、細心の注意を払った治療を行います。どうぞ安心してご来院ください。

レントゲン撮影はしなくてもよい？

レントゲンは、基本的に治療を始める前に行う処置です。治療中に妊娠したケースであれば、特に支障をきたすことはありません。

通常は歯列矯正の開始後、6ヶ月～1年頃の時点で2度目のレントゲン撮影を行います。ただしこちらに関しては、途中経過の確認が目的なので省略しても問題ありません。どうぞご安心ください。

麻酔なしでも歯列矯正は進められる？

基本的に歯列矯正における麻酔の使用は、アンカースクリューという専用のねじを入れるときのみです。アンカースクリューを使った治療は初期段階で行うケースがほとんどなので、妊娠発覚後に治療を開始するケースでない限り影響を及ぼすことはありません。ご心配なく。

歯列矯正中に薬を服用する場合や、妊婦への制限はある？

歯列矯正では、場合によって痛み止めを処方することがあります。ただ痛み止めにもさまざまな種類があり、妊娠中でも服用できる薬を処方しますのでどうぞご安心ください。

とはいえ歯列矯正で痛みが生じるのは、治療開始直後であることが大半です。中盤以降、痛み止めを必要とするほどの状況になることはまずありませんのでご安心ください。

体調不良の場合は歯列矯正を休んでも構いません

予約日直前に体調が悪くなった場合は休んでも良い？

体調がすぐれないときは、無理に来院される必要はありません。直前でも構いませんので予約をキャンセルしていただき、自宅で安静にしていてください。なお予約の変更については、最大2週間程度であれば遅らせても問題ありません。

妊娠中～出産までの間、歯列矯正を休むことはできる？

当院では、出産予定日の1ヶ月前～産後1ヶ月程度は治療をお休みしていただきます。

基本的に装置はつけたままで、調整はしないという状態です。

休みの期間は3ヶ月程度であれば問題ありませんが、それ以上になると徐々に歯が動く可能性があり危険です。もし長期にわたって治療を休みたいと考えている場合は、わかった時点で早めにご相談ください。歯が想定外の方向へ移動しないよう、特別な処置をさせていただきます。

なおインビザラインによる歯列矯正を実施している場合は、事前に半年分のマウスピースをお渡しします。歯科医師の指示に合わせて自身で取り替えるのみなので、さほど負担なく治療を継続することが可能です。

分娩時は装置を外す

インビザラインのように着脱可能な装置は、一時的に外しても構いません。ワイヤー矯正などで装置が固定されている場合は、つけたままで結構です。

出産後の治療再開はいつから？

産後1ヶ月は必ずお休みしていただきますが、再開の時期は患者さまに委ねております。可能であれば出産後3ヶ月以内に一度ご来院いただき、口腔内のチェックをさせていただければ幸いです。

もともと長期間休むための調整をしないで出産をした場合、再開までの期間があまりに延びると状態が悪化する可能性があります。何らかの事情で再開が遅れそうな際は、必ずご連絡をお願いします。