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歯列矯正で起こった歯肉退縮は治る?歯肉退縮が起こった場合の対処法もご紹介【後編】

今回も前回と同じく「歯肉退縮」をテーマに、詳しくお話しします。 歯列矯正の種類によって、歯茎の下がりやすさが左右されることはあるのでしょうか? そのような疑問にも、記事の中で詳しくお答えしますよ!


症状を放っておくとどうなる?

歯茎が下がることの弊害は、実は外見の変化だけではありません。

放置していると、次のような症状を引き起こす可能性があります。

・知覚過敏

・歯の脱落

少しでも「見た目が変わった気がする…」と感じたときは、念のためかかりつけ医に相談して適切な処置を受けましょう。

知覚過敏

症状が進行すると、歯根が露わになって知覚過敏を引き起こします。

というのも歯根の部分は、エナメル質で覆われていません。そのため外的刺激に弱く、冷風や熱い飲食物などに触れると強い痛みが生じるのです。

痛みが毎食出ている場合、治療が必要かもしれません。我慢せず、かかりつけ医へ早めに相談しましょう。


歯の脱落

歯根が露出した状態は、口腔トラブルが悪化しやすく非常に危険です。

また歯茎が下がることで、噛む力が歯周組織へ過剰にかかり、最悪の場合は歯が脱落するかもしれません。


症状が出やすい矯正方法とは?

矯正方法や治療開始のタイミングが、歯肉退縮の起こりやすさを左右します。

例えば非抜歯で顎骨を拡げる「拡大矯正」の場合、歯茎が下がるリスクが高いとされています。

また30代以降にスタートする場合も、歯茎が下がりやすい傾向にあるようです。

いずれかのケースに該当する場合は、スタートの前に歯茎の状態をよくチェックしてもらうことが重要です。

患者さまによって口腔状態は異なるので、気になる方は歯肉退縮のリスクなども併せて確認しておくとよいでしょう。

拡大矯正とは?

抜歯を伴うことなく、外側へ歯列を拡げるという方法です。

「非抜歯」というワードに魅力を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、治療時に歯周組織の再生が追い付かないと歯茎が下がる可能性があります。

特に下の前歯は、歯根が短いので拡大移動しやすい傾向にあります。歯肉退縮が起こりやすいので注意しましょう。

30代以降に歯並びを整えるケースについて

かつては「歯列矯正=子どもが行うもの」だと認識されていましたが、近年は成人後に「自己投資の一環」として始める方も少なくありません。

しかし30歳を過ぎると、治療によって歯茎が下がりやすくなります。心配な方は、事前にかかりつけ医へ相談しましょう。


歯茎の後退が見られた場合の対処法

歯肉退縮は、残念ながら自然治癒が見込めません。しかし進行を食い止めることはできるので、気付いた時点でかかりつけ医へ相談することが重要です。

もし歯列矯正の最中に症状が現れた場合は、上顎などの歯肉を移植して再生を図るといった処置をとります。

マウスピース型矯正の場合、歯根部を歯茎へ再度戻すよう促すといった対処法も挙げられますが、完全な回復は見込めないことを知っておきましょう。

知覚過敏については、専用の薬を塗ることで症状の緩和が期待できます。

もし治療開始前の段階で歯茎が下がっている場合は、先に歯茎を再生したのち歯列矯正をスタートするのが効果的です。治療の順番や開始のタイミングに関しては、かかりつけ医に相談したうえで話を進めてくださいね。


症状が気になる場合はかかりつけ医に相談しましょう!

症状を放っておいても、時間が解決してくれるわけではありません。自然治癒は見込めないことを理解したうえで、早めにかかりつけ医へ相談しましょう。

症状の進行を食い止め、ベストの方法で歯列矯正を進めてもらえるはずです。

困ったときすぐに相談できる環境であるためにも、信頼できる歯科医師のもとで治療を受けるようにしてくださいね。


まとめ

今回は、歯肉退縮が起こるプロセスや対処法などを紹介しました。

一度下がった歯茎は、元通りに戻すことが困難です。

日頃から予防に注力し、もし症状が出た場合は進行しないよう適切な対策をとりましょう。普段から適切な口腔ケアを行い、むし歯や歯周病といった口腔トラブルの予防に努めることが大切です。ブラッシング方法がわからないときは、かかりつけ医に相談しましょう。

おすすめの口腔アイテムとともに、正しい口腔ケアの方法をきっと指導してもらえるはずですよ。

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