インビザラインで新しい装置に交換するとき、これまで付けていたものの取り扱いについて悩む方も多いはずです。
装置には個人情報が含まれているため、万が一のトラブルを防ぐには適切な手段で処分しなければなりません。
そこで今回は、使用済み装置の正しい処分方法や保管時の注意点についてお話しします。
装置の取り扱いにお困りの方はもちろん、これから治療開始予定の方もぜひご覧ください。
目次
使用済み装置は捨ててもよい?
これまでに経験のある方はご存知かと思いますが、インビザラインの装置は7~10日に1回程度交換する仕組みです。歯科医院で回収されるわけではないので、患者さまが処分しない限り手元に残り続けます。
使用済みの装置を治療で再利用することはまずないので、歯科医師からの指示がない限りは処分して構いません。
治療の記念に残したい場合は、保管の際に不衛生な状態にならないよう気を付けましょう。
装置の保管はかかりつけ医に確認するのがベター
使用済み装置を治療に使うことは原則としてありませんが、念のため歯科医師に確認しておくのがおすすめです。
1つ前の装置のみ保管しておくよう指示されることもありますので、その場合は指示に従ってください。
ちなみに保管した1つ前の装置は、次の場面で使用する可能性があります。
1.後戻りを防ぎたいとき
治療中に装置が変形・破損した場合、海外の企業へ作り直しを依頼しなければなりません。新しい装置が届くまでに、1ヶ月程度かかってしまうでしょう。
到着までの間は、後戻り防止のために1つ前の装置を付けるよう指示される場合があります。
2.計画通りに歯が移動しないとき
新しい装置に交換した際、窮屈に感じて痛みが生じることがあります。また前回の装置で不具合が起こっていると、歯が当初の計画通りに動かなくなるケースも少なくありません。
歯がきちんと動いていないにも関わらず、強引に治療を進めると歯列に不具合が生じる可能性があります。
そのような場合、1つ前の装置を付けて移動を再度試みる運びとなるでしょう。
3.万が一の紛失や破損に備えたいとき
旅行や出張中などの出先で、装置を紛失したり壊したりする可能性はゼロとは言い切れません。
「困ったら近くの歯科医院に駆け込むから大丈夫」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、治療計画のない歯科医院へ行っても処置の施しようがないでしょう。
そのような場合に重宝するのが、1つ前に付けていた装置です。応急処置として使用することで、後戻りの予防につながります。
破損に気を付けながら、予備として持ち運ぶようにしましょう。
使用済みの装置を取っておく場合
適切な方法で洗浄し、よく乾いたことを確認したら、専用のケースや袋に入れて保管しましょう。
水滴や汚れが付いた状態で長期間放置すると、カビや悪臭の原因となります。
使用済みの装置を保管する場合は、次の方法でキレイにしましょう。
1.流水で汚れを洗い流す
全体を水洗いし、汚れを落としてください。熱湯を使用すると変形の恐れがあるため、水かぬるま湯を使いましょう。
2.歯ブラシでやさしくこする
毛先の柔らかい歯ブラシを使い、装置に付いた汚れを取り除きましょう。強い衝撃を与えると傷付きやすいので、やさしくこするのがポイントです。研磨剤によって傷付く恐れがあるため、歯磨き粉の使用もNGです。
歯型の部分は、とくに丁寧にケアしましょう。
汚れがなかなか落ちないときは、食器用の中性洗剤を薄めて使用してください。
3.専用の洗浄剤を使う
長期保管したいときにおすすめなのが、マウスピース用の洗浄剤です。除菌効果が期待できる製品を適切な方法で使えば、カビや悪臭が発生しにくくなるでしょう。
錠剤や顆粒、泡タイプなどさまざまな種類が流通しているので、使いやすい製品を選んでください。除菌を最優先させたい方は、浸け置きタイプの洗浄剤を使うのがおすすめです。
4.よく乾かして保管する
装置を洗ったら、しっかりと乾かしてカビの発生予防に努めましょう。そして、専用のケースや袋に入れて保管してください。持ち歩くときは、装置が変形しないよう工夫が必要です。
まとめ
インビザラインにおける、装置の取り扱いについてお話ししました。
使わなくなった装置を、すべて保管する必要はありません。有事の際に備えて、1つ前のものだけ手元に残しておきましょう。
保管する場合は、カビや悪臭が発生しないよう適切な方法で洗浄・乾燥させるのがポイントです。処分するときは袋や箱に記載された個人情報を消したのち、自治体のルールに従って処分してください。